自分との関係

やめたいのにやめられないクセとさよならするためのファーストステップ

こんにちわ^^
笑み育カウンセラーの大野純子です。

今日は、やめたいのにやめられない自分のクセについてのお話です。

やめたいのに、やめられないクセはありますか?

自分のクセの中には、やめたいのにやめられないものってありますよね。

人の顔色を見てしまうクセ。

すぐ謝ってしまうクセ。

自分の言ったことに相手が嫌な思いをしていないかと後から考えてしまうクセ。

自分を責めてしまうクセ。

やめたいなーーーーって思うのに、そんなに気にしなくてもいいって思う気持ちもあるのに、やめられないクセの中には、そのクセが出来るきっかけとなった出来事があるはずです。

多くの場合は、小さな頃に。

そのクセが自分を不器用にさせたり、不機嫌にさせたりするなら、手放したいですよね。

そんな時は、いつそのクセを自分が作ったのかに気づくことが、解決の第一歩です。

事例:人を見張ってしまうクセ。

ある70代の女性Aさんのお話しです。

この方は、病気の影響で、車椅子生活です。

一人では生活できないので、医療介護の力を借りながら生活されています。

日中は、介護施設に通われることもあるのですが、そこには様々な年齢や病気を持って生活されている方が集まっています。

その中には、転んでしまうと危ないので、スタッフが付き添って歩いたり、介助が必要な方がみえます。

Aさんは、そこいると、ずっと周りの人が気になって気になって仕方なくなってしまうのです。

誰かが立ち上がると、スタッフに「ちょっと!立ち上がったよ!!」と誰よりも早く気づいて、声をかけます。

さながら、見張り番のようです。

見張っていて、本人も周りも心地がよければいいのですが、Aさんは見張って口を出してしまう自分に嫌悪感を感じていました。

ところが、気にしないようにしようと思っても、思っても、気になってしまい、言わずにはいられない。

どうしても、やめられないのです。

見張っているから、その場にいる間ずっと気が張ってしまい、家に帰るとぐったりと疲れ切ってしまうそうなのです。

そして、口うるさい自分のことを疎まれているのではないかということも、心配していました。

けれど、自分がもし見逃して、誰かが転んだりしたら、大変なことが起こってしまう。この施設の大問題になってしまう・・・という恐れも握っていました。

この、人を見張ってしまうクセは、ここの場に限らず、これまでの人生の様々な場面でやってきていた自覚も、Aさんにはありました。

なぜ、このクセをAさんは作ったのでしょうか?

Aさんに質問をしました。

『Aさんは、これまでに自分がちゃんと見ていなくて誰かを困らせたり、誰かが大変な思いをした経験はありますか?』

Aさんはしばらく、うーー・・・んと考えた後、ハッとしたように答えました。

「お母さんが死んじゃった。」

そして、Aさんは深く気づいたように語られました。

中学2年生の時に、病気もしたことがなかった母親が風邪を引いたのです。

その風邪がしばらく続き、Aさんもお母さんのことを心配していました。

「病院に行ったら?」と声もかけました。

けれど、お母さんは「ただの風邪だから大丈夫よ。」と答えて、家で療養していたのですが、3日後に亡くなってしまったのです。

お母さんが亡くなった後、長女だったAさんは親戚の人達から責められたそうです。

「なんでちゃんと見ていなかったんだ。」

「亡くなったのは、お前のせいだ。」

そして、誰よりも、Aさん自身が自分を責めました。

『私のせいでお母さんは死んでしまった・・・』

たった、14歳の女の子です。

ただでさえ、大好きで拠り所だったお母さんが突然亡くなってしまったのに、周りからも自分のせいだと責められたのです。(実際は分かりませんが、Aさんは責められたと受け取りました。)

そして、自分が至らなかったと、大きな後悔と罪悪感を握ったのです。

もう、見逃すわけにはいかない。

自分がちゃんと見ていないと、大変なことが起きる。

だから、どんな場所にいるときも、何か起こらないか心配で、安心して過ごせなくなってしまいました。

ずっと、気を張って生きてきたのです。

もう、大切なものを失わないために。

お母さんとの別れから、60年近くが経っていました。

本当に、よく頑張られてきたと思います。

クセの根っこにあったものは

見張ってしまうクセだけでみれば、神経質な人と思われてしまうかもしれないけれど、そこにあったのは、お母さんへの深い愛と、大きな罪悪感でした。

そこに気づいたら、嫌だ嫌だと思っていたクセですら、愛おしくなってきます。

Aさんは、理由がわかったことに安心されました。

見張ってしまう自分はいやらしい人間だと思っていたけれど、実は愛情があったからこそなんだと、思い直すことができたのです。

 

Aさんの場合は、大きな出来事でしたが、大人になってみればほんの小さな出来事からも、子どもの頃に受け取った罪悪感は、自分独自のクセを作り出します。

 

やめたいのにやめれないクセがあるのだとしたら、そのクセを作っただけの理由が、必ずあります。

そのクセが嫌だったとしても、その理由に悪いものはありません。

むしろ、そこには愛情しかありません。

その理由に気付いた時に、ようやくそのクセを手放す準備ができますよ。

あなたがやめたいクセはなんですか?

そのクセをやめようと自分を責める前に、なぜそのクセを作ったのか。その根本的な理由を一緒に探しましょう^^

やめたかったはずのクセに愛おしさを感じられたなら、そのクセはあなた最大級の魅力になります!